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今の自分を写真に残すということ
写真が苦手な人ほど、一度撮られてみてほしい。
そんな思いから、新しいフォトサービス「City Moment」をつくりました。
City Momentのコンセプトは、
今の自分をそのまま映し出す、一期一会のポートレート。
刻一刻と変わる光と影。
ショーウィンドーに映り込む街の景色。
その瞬間にしか存在しない都市の一場面の中で、今のあなたを撮影します。
ビジネス用のプロフィールやブランドのメインビジュアル撮影では、ヘアメイクやファッションを整え、届けたい印象を設計してから撮影に臨みます。一方、City Momentでは、今の自分を映し出すことをテーマにしています。
理想とする姿に近づけるために事前に整えるのではなく、今ここにいる自分自身に目を向けること。
飾りすぎず、構えすぎず、普段は自分でも気づいていない表情や佇まいに出会うこと。
そんな撮影体験を大切にしています。
撮影を通して、知らなかった自分に出会う
独立してから11年。
これまで、大人から子どもまで、さまざまな職業、年齢、背景を持つ方々を撮影してきました。
撮影後によくいただくのが、
「私って、こんな表情をするんですね」
「知らなかった自分に出会ったような気がします」
という言葉です。
普段からスマートフォンで写真を撮られる機会の多い子どもたちも、撮影の場ではいつもと違う表情を見せます。
最初は少し緊張していても、「何をしても大丈夫」と感じられる空気の中で、次第に自由になっていく。飛んだり、走ったり、急に大人びたポーズをしてみたり。
カメラのモニターに映った自分を見て驚きながら、「もっと撮って」と嬉しそうに撮影を楽しむ姿を、何度も見てきました。
自然な表情を切り取れるかどうかは、撮影技術だけでは決まりません。
その場に流れる空気や、撮る人と撮られる人の関係性が大きく影響します。
だからこそ、日常の雑念をいったん脇に置き、自分自身に意識を向けてもらえるような空気づくりを心がけています。
カメラマンと被写体が互いの感覚を受け取りながら撮影を進めていくと、単なる記録を超えた一枚が生まれることがあります。
そこに写っているのは、紛れもなく今の姿。
けれど時には、まだ知らない一面や、その先の可能性まで映し出されているように感じるのです。
写真は、自分の姿を少し離れたところから見つめるきっかけになるのだと思います。
父の最期に知った、「自分自身との別れ」
City Momentを企画した背景には、私自身の忘れられない経験があります。
2年前の夏、父の余命が10日ほどだと告げられ、自宅で看取ると決めた母からの連絡を受けて、急いで帰省しました。
その日からの10日間、私はずっと父のそばで、少しずつ命が尽きていく時間を過ごしたのです。
その中で、今も忘れられない光景があります。
それは、亡くなる5日ほど前のことでした。
父は目が見えなくなり、身体もほとんど動かせない状態だったにもかかわらず、何度も何度も、自分の顔を手で優しくなでていたのです。
最初は、その理由が分かりませんでした。
けれど、しばらく見ているうちに、その仕草が、自分自身の顔や手を確かめ、愛おしむように見えてきました。
父は、自分の身体との別れを惜しんでいるのかもしれない。
そのとき、初めてそう気づいたのです。
人が死を意識するとき、家族や親しい人、この世界との別れを惜しむのだろうとは想像していました。けれど、自分自身との別れを惜しむという視点は、それまでの私にはありませんでした。
その光景は、私の死生観を大きく変えることになりました。
私たちは、この身体、この顔、この姿で生きています。
毎日見ているため当たり前に感じてしまいますが、同じ姿で生きる時間には限りがあります。
年齢とともに、表情も身体も少しずつ変化していきます。
今の自分に少しずつ別れを告げながら、私たちはまた次の姿へと変わっていく。
だからこそ、今の自分をもっと愛おしみ、自分自身の姿をじっくり見つめる機会があってほしいと思うようになりました。
内面だけでなく、外見も含めて、今の自分を知るために。
足りないところに目を向けるためではなく、自分の好きなところや、これまで気づかなかった魅力を見つけるために。
写真だから見える、自分の姿
鏡の前で見ることができる自分は、ほんの一部分です。
会話をしているときの表情。
誰かを見つめているときのまなざし。
歩いている姿や、ふと気が緩んだ瞬間の顔。
自分が周囲からどのように見えているのかを、自分自身で直接見ることはできません。
けれど写真には、さまざまな角度から見た自分の姿が残ります。
笑っている自分。
少し寂しげな表情をしている自分。
意志の強さが表れている自分。
自分では気づかなかった、やわらかな表情。
写真を通して自分と見つめ合う時間を、ひとつの体験として残してほしい。
写真が苦手な人ほど、一度撮られてみてほしい。
自分の姿を見ることを避けてきた人にも、写真の中で、まだ知らない自分に出会ってほしい。
今この瞬間の自分自身の姿を、もう少し名残惜しむように見つめてほしい。
それが、長く人物を撮影してきた私が、今あらためて感じていることです。
気軽に、自分のための写真を
City Momentは、忙しくてなかなか自分の写真を撮る機会がない方や、気づけば家族や子どもの写真ばかりで、自分が写っている写真がほとんどないという方のためにつくりました。
本格的な撮影には少し緊張するけれど、一度ポートレート撮影を体験してみたい。
プロフィール写真だけではなく、今の自分をひとつの記録として残してみたい。
都会の光や街並みの中で、いつもとは少し違う自分に出会ってみたい。
写真は苦手だから避けてきたけれど、一度気楽に外で撮ってもらってみたい。
そんな方に、気負わず参加していただけるフォトセッションです。
その日の街、その日の光、そのときの自分。
一期一会の風景の中で、今の姿を残します。
一人で申し込むのは少し勇気がいるという方には、仲間と参加できるグループセッションもご用意しています。
今の自分に出会う時間を、ぜひ体験してみてください。
Text|Maki Amemori



