INTERVIEW
Interview #2
声優 福宮あやのインタビュー 『「やると決めたらとにかくやってみる、走ってみるのが私の生き方。」人生をたくさんの色で彩りたい。』
これまでのあやのさんのバックグラウンドを教えていただけますか?
小さい頃から歌や話すことが大好きな子供でした。小学生の時は児童合唱団に、中学ではコーラス部に入部して、コンクール向けの合唱やミュージカル上演などをやっていました。高校は音楽科に進学して、声楽をそこで本格的に勉強しました。3年間ずっと同じクラスメンバーだったのでとても濃い3年間でした。殆どが大学では音楽関連の学科へ進学するクラスだったのですが、私はなぜか文学部に進み、中国の歴史を勉強しました。その間ニュージーランドへ留学を決めて、ワーキングホリデーと大学留学でトータル2年間ニュージーランドで過ごしました。
『日本人がニュージーランドの大学で古代中国史を英語で学ぶ』という、なんともちぐはぐなことをしいてたわけですが、振り返れば、思いついたらあまり深く考えずとりあえず行動する、という自分のパターンがその頃にも象徴されてるようです。卒業して日本へ帰国してからは、ごく普通に会社員になって、転職を何度か経験しながら、様々な仕事をしてきました。並行して、小さい時からの夢である声優もあきらめず、勉強は続けていました。そして、27歳で事務所に所属して、プロの声優としてのお仕事も始めたんです。小さい頃から想い続けていたので、初仕事の時はとても嬉しかったのを覚えています。その後、結婚して今は5歳の男子の母です。こうして振り返ると、大分やりたいことを実現してますね。でもまだまだ全然足りないですよ!
あやのさんご自身で感じるチャームポイントや好きなところや強みなど教えてください。
やりたい!やる!と決めてからの行動力実行力は強みかなと思います。本気にならないとなかなか動かないので、だからこそその行動力が私の本気度のベンチマークになっていますね。これまで高校(音楽)、大学(3教科)、留学(英語)と3回ハードな受験勉強をして全部結果的にクリアしてきたので、やればできる!やりきれる!という自信にはなっていると思います。あとは、ポジティブなところ。誰がどう思うとか気にせず、”自分で頑張ったって思えるんだからそれでいいやん!”って思えるこの性格は割と好きです。
あやのさんのただならぬ本気スイッチ。それが入ると爆走するかの如く実行に移されていくイメージなのですが、その本気について聞きたくなりました。あやの本気スイッチを押すものってどんな類のものなのでしょうか?
一番は「楽しそう」と思えることですね。すごく曖昧で仲間にも時々怒られるんですが(笑)でも私の基準は本当に、楽しいかどうか、みんなが楽しめるかどうか。だって、人生楽しく過ごしたいですよね? だからそれを愚直に追いかけています。
今のあやのさんのご活動について教えてください。
今は声優や表現者をメインにそれ以外も色々な仕事のご縁をいただきながら、フリーランスとして活動しています。最近は、オンラインでお子様へ表現レッスンも提供しはじめました。そこでは発声や朗読、アフレコ演習なんかも盛り込んでいます。母業も私にとっては大切な時間なので、仕事はつめすぎず、割と余裕をもってワークライフバランスを保っています。特に2020年はゆっくりやってきたんですが、10月以降突然の波が来たように、大きな案件が2つ決まりました。一つは仲間とやっている朗読劇の配信公演、もう一つは新しい仲間との映画制作です。どちらもとっても楽しみにしているので、詳細を公表できる時が待ち遠しいです。
小さい時どんなお子様でした?今のお仕事とつながるような体験とかあればぜひお聞かせください。
声優の道に繋がった原体験的なものが2つあります。1つは、ある日見ていたアニメのキャラクターの声が、別のアニメのキャラクターと同じだと気づいたんですね。それを母親に伝えると「声優さんが同じなのよ!」と言われて、その時初めて声優という存在を知りました。そこで、漠然と「私は声優になるんだな」という確信があったんです。「声優になりたい」ではなく「なるんだな」と思ったのが、不思議な記憶として残っています。2つ目は、小学校5年生の時にクラスで発表会があり、そこで寸劇に挑戦した時の体験です。最初は気恥ずかしがっていた私に、当時の担任の先生が「やるんやったら思いっきりやり!」と喝を飛ばしてくれました。その言葉が頭のねじを飛ばしてくれたのか、それからは、思い切って表現できるようになりました。例えば、「おーっほっほっほ」って廊下で高笑いするようになっていたり。先生のこの言葉がなければ私は表現者になれていなかったんじゃないかと思います。
オンオフ含めて一番楽しい時は?
人と会話をしたり掛け合いのお芝居をしている時です。まるでエネルギーの交換をしているようで、自分のテンションもやる気も螺旋状に上がっていくのがわかって、すごく好きです。でも実は家でドラマを見ながら、最近ハマっている日本刺繍をしている時間も最高に楽しいですね。
あやのさんはどんな働き方を理想とされていますか?
「やりたいことがやれる」、というのが理想です。今もできているのですが、欲を言えばもっともっと表現の仕事を増やしたいですね。私の場合は好きな事が仕事になっていることはとてもラッキーだと思っています。そして、家族の時間も大切にしながら、いろんな仕事に挑戦していきたいです。
表現者として他にどんなご活動をされていますか?
最近はMCをやらせて頂く機会も増えています。配信も増えましたね。6年前から自分で企画した「team.鴨福」という団体で朗読劇を年に1度以上上演しています。今年はこのコロナ禍ですので、配信での公演を予定しています。この鴨福の活動も、始めは「なんか楽しいことをやりたい!」と思って色んな人を巻き込んで始めました。最初はやれるだけで万歳!という状態だったんですが、驚くほど、回を追うごとに規模が大きくなっていきました。毎回全身全霊で作っているので、次回お客様に来ていただける本公演ができた時にはぜひ見に来て頂けると嬉しいです。
フォトセッションの感想を教えてください。あやのさんはかなりこれまでのお客様の中でもエッジがたっていて振り幅が半端なくて。本当に楽しいフォトセッションでした。あやのさんはとりわけ自己表現をとっても楽しまれているように感じます。そのあたりを撮影の感想と共に教えていただけますか?
普段から自分の身体を使ってどうやったら伝わるか、どう表現していくかということを考えているので、それをぐいぐい引き出して形にして頂けるフォトセッションは本当に楽しかったですね。誰の中にも色んな面があると思うんですが、私はそれを臆することなくとオープンできるのかもしれません。SNSに家族の壮大な愚痴を書き込んだりとか(笑)かっこつけてる自分もダサい自分もお母さんな自分も精神年齢子供な自分も、全部ひっくるめて一人の人間なので、それをまきさんがすごく上手に拾い上げて残して下さったなと思っています。多面的な自分を可視化するような体験でした。
最後に2年先、10年先のあやのさんのビジョン聞かせて下さい。
2年後までには、もう一人子育てしたいです!仕事は仕事で私の人生ですが、家族にとっては私が彼らの人生の一部ですよね。きょうだいを作ってあげたいなという気持ちが強いので、もう1人新しい家族をつくりたいです。10年先だと大分子育ても落ち着いていると思うので、そろそろ舞台にも復帰したいです。今も朗読劇という形では舞台に立っていますが、ガッツリ全身を使ったお芝居もまたやりたいですね。とにかく声優、表現者としてのお仕事をずっと続けることが今の目標なので、本気スイッチが入るお仕事のご縁はどんどん掴んでチャレンジしていきたいと思っています。